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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和32(オ)682

事件名

 慰藉料請求

裁判年月日

 昭和37年7月3日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 民集 第16巻7号1408頁

原審裁判所名

 広島高等裁判所  松江支部

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和32年5月8日

判示事項

 一 刑訴第二〇八条第二項所定の「やむを得ない事由があると認めるとき」の意義
二 検察官が勾留延長請求をし裁判官が右請求認容の裁判をするについて、国家賠償法第一条第一項所定の過失があるとした原判決が違法であるとされた事例

裁判要旨

 一 刑訴第二〇八条第二項所定の「やむを得ない事由があると認めるとき」とは、事件の複雑困難(被疑者もしくは被疑事実が多数であるほか、計算複雑被疑者関係人らの供述その他の証拠のくいちがいが少なからず、あるいは取調を必要と見込まれる関係人、証拠物等が多数の場合等)、あるいは証拠蒐集の遅延もしくは困難(重要と思料される参考人の病気、旅行、所在不明もしくは鑑定等に多くの日時を要すること)等により、勾留期間を延長して更に取調をしなければ起訴、不起訴の決定をすることが困難な場合をいうものと解すべきである。
二 原判決挙示の事実関係だけでは、検察官が勾留延長請求をし裁判官が右請求認容の裁判をしたことをもつて、直ちに国家賠償法第一条第一項所定の過失があるとはいえない。

参照法条

 刑訴法208条2項,国家賠償法1条1項

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