昭和36(オ)43

 建物収去、土地明渡請求

 昭和36年7月6日

 最高裁判所第一小法廷

 判決

 棄却

 民集　第15巻7号1777頁

 東京高等裁判所

 昭和35年10月29日

 一時使用のための借地権の事例。

 土地所有者が仮設建築物を所有して土地を不法占有する者を相手方として土地明渡の調停を申立てたところ、その建物の居住者が利害関係人として期日に出頭し、なお居住者が多数あることが判明したので、事態の解決を計るため、調停外において右居住者中の有力者一名と期間を一〇年とする土地賃貸借契約を結び、一〇年後には必ず返地することを確約したときは、たとい契約に際し権利金を授受し、その後賃料を増額したことがあつても、借地法第九条にいう一時使用のため借地権を設定したこと明らかな場合に該当する。

 借地法9条

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