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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和53(オ)872

事件名

 家屋明渡

裁判年月日

 昭和54年1月25日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第33巻1号26頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 昭和51(ネ)746

原審裁判年月日

 昭和53年4月14日

判示事項

 一 建築途中の未だ独立の不動産に至らない建前に第三者が材料を供して工事を施し独立の不動産である建物に仕上げた場合と建物所有権の帰属
二 民法二四六条二項の規定に基づいて加工物の所有権の帰属を決定する場合において他人の動産の価格と比較すべき対象の算定時期

裁判要旨

 一 建築途中の未だ独立の不動産に至らない建前に第三者が材料を供して工事を施し独立の不動産である建物に仕上げた場合における建物所有権の帰属は、民法二四六条二項の規定に基づいて決定すべきである。
二 建築途中の未だ独立の不動産に至らない建前に第三者が材料を供し工事を施して仕上げた建物の所有権の帰属を民法二四六条二項の規定に基づいて決定する場合において、建前が、屋根瓦が葺かれ、荒壁が塗られて法律上独立の不動産である建物としての要件を具備するに至つた時点における状態に基づいてではなく、加工者の工事が一応終了したと認められる時点までの間に加工者が加えた工事及び材料の価格と建前の価格とを比較して決定すべきである。

参照法条

 民法243条,民法246条2項

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