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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和32(オ)1204

事件名

 約束手形金請求

裁判年月日

 昭和35年7月1日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第14巻9号1615頁

原審裁判所名

 福岡高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和32年9月25日

判示事項

 一 地方自治法第九六条第一項第八号にいうあらたな義務を負担することにあたる事例
二 地方自治法第九六条第一項の議決を欠く手形行為の効力
三 村長に当該手形振出の権限があると信ずるにつき正当の事由があるといえない事例

裁判要旨

 一 請負工事金の支払が村歳出予算の執行行為にあたる場合でも、請負人に右工事資金の融通を受けさせるため村が請負人と共同で約束手形を振出すことは、地方自治法第九六条第一項第八号にいう予算外のあらたな義務を負担する行為にあたる。
二 予算外のあらたな義務を負担する行為につき地方自治法第九六条第一項所定の議決を欠くときは、右行為は無効であつて、その行為が手形行為であるからといつて別異に解すべきではない。
三 村長が当該手形を振出すにつき村議会の議決があるか否かに関し、作成名義人名下に押印のない村議会議事録謄本を示されて不審を抱きながら、特に調査をしなかつた場合には、村長に右手形振出の権限ありと信ずべき正当の事由があるとはいい得ない。

参照法条

 地方自治法96条1項8号,民法110条

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