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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和33(オ)208

事件名

 家屋明渡請求

裁判年月日

 昭和36年10月10日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第15巻9号2294頁

原審裁判所名

 福岡高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和32年12月25日

判示事項

 一 一時使用のための借家権の事例。
二 一時使用のための借家権といえるためには、その期間が一年未満でなければならないか。

裁判要旨

 一 原判示のような経過によつて成立した原判示裁判外の和解による賃貸借契約の締結について、賃貸人において一年後に学校を卒業し、二年間の商業見習を終えて、三年後右契約の目的家屋に店舗を構えて独立営業をするため、賃貸期間を三年と限り、賃借人も右事情を了解し、他に適当な店舗兼住宅を得た場合は右期間内といえども賃借家屋を明け渡すべき旨を約し、なお以上の点を考慮して比隣の借賃相当額をはるかに下廻る賃料を定めた等(原判決理由参照)の事情があるときは、右和解の際、賃借人が当該家屋の前賃借人に相当額の立退料を支払いかつその後相当の費用を投じて賃借家屋の内部に改造・造作を加えたことが認められるとしても、右賃貸借契約は、借家法第八条にいう一時使用のため建物の賃貸借をなしたこと明らかな場合に該当する。
二 借家法第八条にいわゆる一時使用のための賃貸借といえるためには、その期間が一年未満の場合でなければならないものではない。

参照法条

 借家法8条,借家法3条ノ2

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