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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和36(オ)1379

事件名

 労働委員会命令取消請求

裁判年月日

 昭和39年8月4日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第18巻7号1263頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和36年9月11日

判示事項

 一 精神病院の薬剤師、看護人らが争議行為として投配薬、看護等の業務を放棄することは、労働関係調整法第三六条に違反するか。
二 精神病院従業員の争議行為の正当性の限界。

裁判要旨

 一 精神病院の薬剤師、看護人、看護婦が争議行為として投配薬、診療の補助、看護等の業務を放棄することは、労働関係調整法第三六条に違反しない。
二 精神病院の従業員が争議行為を行うにあたつては、予め患者の生命・身体の保全に遺憾なきを期するとともに、患者の身体・精神の回復をはかるべき病院の使命に対する管理者側の真摯な努力にもかかわらず、緊急事態発生の客観的危険性が現われた場合には、その善後措置に協力すべき義務があり、右保全の措置を怠りまたは右協力義務に違反すれば、争議行為は、正当性の範囲を逸脱するものと解すべきであるが、単に争議行為により患者の治療に支障を来たす事態が発生したというだけの理由で、直ちにその争議行為が不当になるものとはいえない。

参照法条

 労働関係調整法36条,労働組合法7条1号

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