昭和37(オ)953

 審決取消請求

 昭和38年12月5日

 最高裁判所第一小法廷

 判決

 棄却

 民集　第17巻12号1621頁

 東京高等裁判所

 昭和37年4月24日

 一　一個の商標から二つ以上の称呼、観念が生ずる場合における商標の類否判定の方法
二　石鹸を指定商品としてリラと呼ばれる抱琴の図形と「宝塚」の文字との結合からなる商標が同じく指定商品を石鹸とする商標「宝塚」と類似すると認められた事例

 一　一個の商標から二つ以上の称呼、観念が生ずる場合、一つの称呼、観念が他人の商標の称呼、観念と同一または類似であるとはいえないとしても、他の称呼、観念が他人の商法のそれと類似するときは、両商標はなお類似するものと解するのが相当である。
二　石鹸を指定商品とし、リラと呼ばれる抱琴の図形と「宝塚」の文字との結合からなる商標は、判示のような事実関係のもとにおいては、リラ宝塚印の称呼、観念のほかに、単に宝塚印なる称呼、観念も生ずるから、同く指定商品を石鹸とする商法「宝塚」と類似するものと認むべきである。

 旧商標法（大正10年法律99号）2条1項9号

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