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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和24(れ)2029

事件名

 昭和二二年政令第六二号違反

裁判年月日

 昭和25年10月25日

法廷名

 最高裁判所大法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第4巻10号2134頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和24年7月2日

判示事項

 一 教職不適格者としての指定の効力と日本の裁判所の裁判権の有無
二 昭和二二年五月二一日支部、外務、司法、逓信、厚生、内務、大蔵、運輸、農林省令第一号別表第二に記載された教職の一つについて教職不適格の指定がなされた場合における同表記載の他の教職に及ぼす効力
三 下級審がその事件について上級審が示した意見に従つて処理した場合その下級審の判決の適否

裁判要旨

 一 論旨は、本件被告人に対する教職不適格の規定は、被告人がさきに公職不適格の指定を受けたことを理由とするものであるが、右公職不適格の審査決定に対しては、被告人より再審査の請求を為し、その未確定の間になされた本件教職不適格の規定は法律上無効であると主張するのであるけれども、仮りにその主張のような関係ありとしても、かかる事由によつて、右指定が無効であるかどうかについては、日本国裁判所にこれを裁判する権限のないことは、既に、当裁判所の判例の示すところによつて明らかである。(昭和二三年(れ)第一八六二号同二四年六月一三日大法廷判決。昭和二四年そ第四号同二五年二月一日大法廷判決)。
二 昭和二二年五月二一日文部、外務、司法、逓信、厚生、内務、大蔵、運輸、農林省令第一号別表第二に記載された教職の一つについて教職不適格の指定がなされた以上、同表記載のすべての教職から排除せられるものである。
三 上級審において下級審判決が破棄され事件の差戻があつた場合には、下級審はその事件を処理するに当り判決破棄の理由となつた上級審の事実上の意見に拘束され、必ずその意見に従いこれに基ずいて事件の審判をしなければならないのであるから、既に下級審が上級審の意見に従つて事件を処理したものである以上、その上級審の意見が客観的に間違つて居ると否とに拘らずその下級審の判決を違法視することはできないのである。

参照法条

 昭和22年政令62号3条,昭和22年政令62号2条,昭和22年5月21日文部、外務、司法、逓信、厚生、内務、大蔵、運輸、農林省令1号別表2,右文部外8省3条,裁判所法4条

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