裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和24新(れ)379
- 事件名
食糧管理法違反
- 裁判年月日
昭和26年12月5日
- 法廷名
最高裁判所大法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第5巻13号2463頁
- 原審裁判所名
福岡高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和24年9月28日
- 判示事項
一 食糧管理法施行規則第二九条と法律の委任
二 食糧管理法第九条と食糧管理法施行令第一一条及び同法施行規則第二九条との関係
- 裁判要旨
食糧管理法九条は主要食糧に関する移動等に関して、政令で必要な枠を定めることをこれに委任し、同時にこの枠の範囲内において必要な規定を定めることも命令(政令以外の命令)に委任する趣旨を有するものである。即ち、法律が直接に命令に委任したものであつて、ただその命令によつて定め得る事項の枠だけを政令に定めしめているに過ぎないのである。本件の場合において食糧管理法九条から枠を定める委任を受けた政令(食糧管理法施行令一一条)は、移動の制限という具体的な一定の枠を定め、命令(農林省令、食糧管理法施行規則二九条)は、この枠の範囲内において法律の委任に従つて移動に関する制限規定を設けたものである。それ故、所論のように、法律から委任を受けた政令が、自らその委任事務を尽さずしてこれをそのまま勝手に、命令に委任したという関係にあるのではない。従つて、食糧管理法施行令一一条及び同法施行規則二九条の違憲無効を主張する論旨は、理由なきものと言わねばならぬ。
- 参照法条
食糧管理法9条,食糧管理法施行令11条,食糧管理法施行規則29条,憲法73条6号