裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和25(あ)2025
- 事件名
昭和二二年勅令第一号違反
- 裁判年月日
昭和25年12月28日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第4巻13号2899頁
- 原審裁判所名
名古屋高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和25年7月20日
- 判示事項
農業調整委員会の性質と市町村農業調整委員候補者を推薦銓衡する会合における者の推薦行為は昭和二二年勅令第一号第一五条第一項にいう「政治上の活動」になるか
- 裁判要旨
農業調整委員会は食糧確保臨時措置法により設けられたもので、都道府縣農業調整委員会は都道府縣知事が、市町村農業調整委員会は市町村長が夫々農業計画及びその実施に関し必要な事項を決定するについて、必ずその議決を経なければならない議決機関であり(同法第四条第五条参照)しかも右農業計画というのは同法第二条第二項によれば「主要食糧農産物の生産数量、生産者保有数量若しくは、供出数量(代替供出の範囲及び比率を含む)又はその生産に必要な肥料農薬若しくは、農機具、等の配給数量について行政庁の定める計画をいう」ものであるから、市町村農業調整委員会は単なる経済団体ではなく、行政庁であり、公職である市町村長が右農業計画を定めるにあたり必ずその議決を経なければならない」の政治的性格を有する議決機関であつてこれが構成員である市町村農業調整委員会も亦、公職である、市町村長のする、主要食糧農産物の生産、保有供出に関する、政治上の施策決定に参与するものであるといわなければならない。そして同委員の選挙に関しては、その選挙権被選挙権について、同法に規定せられその選挙手続については、同法施行令の規定するところである。してみれば被告人がB農業調整委員会の委員候補者を推薦銓衡するための、会合に出席し、右委員候補となるべき者を推薦することは、間接とはいえ、公職である市町村長の政治上の施策又は活動の企画決定に参与しこれを推進し、支持し若しくは、反対することによつて、現実の政治に影響を及ぼすような行為であつて(前記当裁判所大法廷の判例の判示する)政治上の活動というにあたるものといわなければならない。(昭和二三年(れ)第一八六二号同二四年六月一三日大法廷判決参照)
- 参照法条
昭和22年勅令1号15条1項,昭和23年10月14日総理庁令農林省令12号
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