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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和25(あ)2985

事件名

 麻薬取締法違反

裁判年月日

 昭和28年12月24日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第7巻13号2646頁

原審裁判所名

 名古屋高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和25年6月21日

判示事項

 一 麻薬取締法(昭和二三年法律第一二三号)第四条第四号後段にいわゆる「麻薬中毒のため自制心を失うこと」の意味
二 麻薬取締法(昭和二三年法律第一二三号)第四条第四号後段違反の罪と原因において自由なる行為

裁判要旨

 一 麻薬取締法(昭和二三年法律第一二三号)第四条四号後段にいわゆる「麻薬中毒のため自制心を失うこと」というのは、単なる自制心喪失という精神状態をいうのではなく、麻薬の連続使用により麻薬中毒の結果自制心を失つた行為がなされることをいう。
二 麻薬中毒のためなされた自制心を失つた行為は、その当時行為者において責任能力がなくても、麻薬を連続して使用する際責任能力があり、且つその連続使用により麻薬中毒症状に陥ることについての認識(未必の認識)があれば、いわゆる原因において自由な行為として、麻薬取締法(昭和二三年法律第一二三号)第四条第四号後段違反の罪に該当するのであつて、その行為は必ずしも他の犯罪に該当するものであることを要しない。

参照法条

 麻薬取締法(昭和22年法律123号)4条4号,麻薬取締法(昭和22年法律123号)60条,刑法8条,刑法39条

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