裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和25(さ)40
- 事件名
非常上告の申立
- 裁判年月日
昭和27年4月23日
- 法廷名
最高裁判所大法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第6巻4号685頁
- 原審裁判所名
立川簡易裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和24年3月8日
- 判示事項
刑訴第四五四条にいわゆる「事件の審判が法令に違反したこと」の意義と違反したことにならない一事例
- 裁判要旨
非常上告は、法令の適用の誤りを正し、もつて、法令の解釈適用の統一を目的とするものであつて、個々の事件における事実認定の誤りを是正して被告人を救済することを目的とするものではない。されば、実体法たると手続法たるとを問わず、その法令の解釈に誤りがあるというのでなく、単にその法令適用の前提事実の誤りのため当然法令違反の結果を来す場合のごときは、法令の解釈適用を統一する目的に少しも役立たないから、刑訴四五四条にいわゆる「事件の審判が法令に違反したこと」に当らないと解するのを相当とする。そして、本件では、本案事件の公訴提起当時においては勿論その第一審判決当時においても、被告人の年齢が二〇歳以上であると認定されていたことは記録上明白なのであるから、たとえ、その判決後になつて被告人が実際は少年であつたことが判明したとしても検察官が公訴提起前あらかじめ事件を家庭裁判所に送致する手続を執らなかつたのを目して、公訴提起の手続規定の解釈を誤りその結果その手続規定に違反したとはいえないし、また、第一審裁判所が公訴提起手続違反を理由として公訴棄却の判決をしないで被告人を懲役一年但し三年間その刑の執行を猶予する旨の判決を言渡したのを、まさしくその審判法令に違反した場合に当るものということはできない。
- 参照法条
刑訴法454条,刑訴法460条
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