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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和25(れ)1409

事件名

 収賄

裁判年月日

 昭和26年10月12日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第5巻11号2183頁

原審裁判所名

 札幌高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和25年4月24日

判示事項

 一 判決に掲げてある証拠の誤記であることの明瞭な場合
二 賄賂の価格算定の誤謬を主張する上告理由と被告人に不利益な主張
三 農地委員会の職務権限
四 いわゆる荒廃地と自作農創設特別措置法第三条の農地

裁判要旨

 一 判決に証拠として「被告人に対する検事の第二回聴取書中判示同旨の供述記載」と掲げてあつても、記録中数通ある被告人に対する検事の聴取書中判示事項と同旨の記載ある聴取書は第一回聴取書だけであつて、その余の聴取書には別個の事実についての供述記載しかない場合には、右第二回聴取書は第一回聴取書の誤記であること明らかであるといわなければならない。
二 判示玄米七斗については、当時適用のあつた昭和二二年一一月一日物価庁告示第九六〇号に定めている統制額に基ずいて算出すべきものであつて、同告示により算出すれば、原判示金額より若干多額になること算数上明らかであり、原判決はこの点において違法が存するものといわなければならないが、原判示価格は被告人Aに有利に算出されている結果、同被告人に対する追徴の金額もそれだけ少額になつているので、右玄米七斗の価格の誤謬を指摘する論旨は結局被告人に不利益な主張となる。
三 農地所有権の移転についての地方長官の許可申請書に意見を附し、之を地方長官に進達することは右農地委員会の職務権限に属するものと認むべきである。
四 いわゆる荒廃地であつても、自作農創設特別措置法第三条の農地にあたる以上、政府買収の対象となる。

参照法条

 旧刑訴法360条1項,旧刑訴法409条,刑法197条,農地調整法(昭和21年法律第42号により改正されたもの)4条1項,農地調整法(昭和21年法律第42号により改正されたもの)4条3項,農地調整法施行令(昭和21年勅令第556号により改正されたもの)2条1項,農地調整法施行令(昭和21年勅令第556号により改正されたもの)2条3項,農地調整法施行規則(昭和21年農林省令第68号により改正されたもの)6条1項本文,農地調整法施行規則(昭和21年農林省令第68号により改正されたもの)6条2項,農地調整法施行規則(昭和21年農林省令第68号により改正されたもの)6条3項,自作農創設特別措置法(昭和24年法律第205号による改正前のもの)3条5項5号

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