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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和25(れ)548

事件名

 殺人、賍物故買

裁判年月日

 昭和26年1月17日

法廷名

 最高裁判所大法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 刑集 第5巻1号20頁

原審裁判所名

 札幌高等裁判所  函館支部

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和25年1月13日

判示事項

 一 酩酊すると暴行する習癖のある注意義務
二 殺人の公訴事実中には過失致死の事実も含まれるか

裁判要旨

 一 本件被告人の如く、多量に飲酒するときは病的酩酊に陥り、因つて心神喪失状態において他人に犯罪の害悪を及ぼす危険ある素質を有する者は、居常右心神喪失の原因となる飲酒を抑止又は制限する等前示危険の発生を未然に防止するよう注意する義務あるものといわねばならない。しからば、たとえ原判決認定のように、本件殺人の所為は被告人の心身喪失時の所為であつたとしても、(イ)被告人にして既に前示のような己れの素質を自覚していたものであり且つ(ロ)本件事前の飲酒につき前示注意義務を怠つたがためであるとするならば、被告人は過失致死の罪責を免れ得ないものといわねばならない。
二 殺人の公訴事実中には過失致死の事実をも包含するものと解するを至当とすべきである。

参照法条

 刑法199条,刑法210条,旧刑訴法291条,旧刑訴法410条18号

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