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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和59(行ツ)333

事件名

 財団債務不存在確認

裁判年月日

 昭和62年4月21日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 その他

判例集等巻・号・頁

 民集 第41巻3号329頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 昭和58(行コ)37

原審裁判年月日

 昭和59年9月27日

判示事項

 一 破産法人に対する予納法人税の債権のうち各事業年度の所得に係る部分と破産法四七条二号但書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権

二 破産法人に対する予納法人税の債権のうち租税特別措置法(昭和五七年法律第八号による改正前のもの)六三条一項の規定による土地重課税に係る部分と破産法四七条二号但書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権

三 破産法人に対する住民税の債権と破産法四七条二号但書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権

四 破産法人に対する予納事業税の債権と破産法四七条二号但書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権

裁判要旨

 一 破産法人に対する予納法人税の債権のうち、各事業年度の所得に係る部分は、破産法四七条二号但書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権に当たらない。

二 破産法人に対する予納法人税の債権のうち、租税特別措置法(昭和五七年法律第八号による改正前のもの)六三条一項の規定による土地重課税に係る部分は、課税の対象となる譲渡利益金額の中に別除権の目的となつている土地等の譲渡によるものが含まれ、かつ、当該土地等の譲渡による収益の額から譲渡に際し支出された譲渡経費(換価費用)の額及び別除権者に対する優先弁済額を控除した残額がその譲渡による譲渡利益金額に満たない場合には、当該課税の対象たる譲渡利益金額の合計額からその満たない金額に相当する額を控除した金額を基礎に計算される土地重課税の額に相当する部分のみが破産法四七条二号但書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権に当たり、その余の部分は右請求権に当たらず、右以外の場合にはその全部が右請求権に当たる。

三 破産法人に対する住民税の均等割の債権は破産法四七条二号但書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権に当たり、また、破産法人に対する住民税の法人税割の債権のうち、当該法人に対する予納法人税の債権で右請求権に該当する部分に対応する部分は右請求権に当たり、その余の部分は右請求権に当たらない。

四 破産法人に対する予納事業税の債権は、破産法四七条二号但書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権に当たらない。

参照法条

 破産法47条2号,法人税法102条1項,法人税法105条,租税特別措置法(昭和57年法律第8号による改正前のもの)63条1項,地方税法53条2項,地方税法72条の29第1項,地方税法321条の8第2項

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