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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和27(あ)564

事件名

 常習賭博

裁判年月日

 昭和28年11月10日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第7巻11号2067頁

原審裁判所名

 名古屋高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和26年11月30日

判示事項

 一 「色合せ」と称する遊戯営業行為についての公安委員会の許可の性質と刑法第一八五条
二 遊戯場経営者が公安委員会の定めた遊戯方法とは異つた方法で営業をなした場合に常習賭博罪の成立する一事例

裁判要旨

 一 被告人が公安委員会の許可を受けて行つていた色合せと称する遊戯営業行為は営業者と客とが偶然の勝負によつて財物を賭けるという性質を帯びていることは否めないのであるが、公安委員会が特に許可した理由は、その方法にいくつかの制限を設けこの条件の範囲内において行うならば一時の娯楽に供する物を賭ける場合にあたると認めたものと解するのが相当である。
二 被告人が公安委員会の許可条件を全く無視し判示に示されたような遊戯営業行為をするに至つては、被告人の行為は許可によつて一時の娯楽に供する物を賭ける場合に当るという性質を全く失い、単に許可条件に違反したという風俗営業取締法違反の限界を越え、純然たる賭博行為と認められるに至つたと見なければならない。従つて原判決が被告人の行為をもつて常習賭博罪を構成するものと判断したのは正当である。

参照法条

 刑法185条,刑法186条

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