裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和29(あ)2055
- 事件名
賍物寄藏
- 裁判年月日
昭和29年9月7日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第8巻9号1447頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和29年4月13日
- 判示事項
公訴事実に同一性の認められる一事例
- 裁判要旨
所論は、検察官が当初窃盗として起訴した公訴事実に、後に賍物寄蔵の訴因及び罰条を予備的に追加し、第一審がその予備的訴因について被告人に有罪を言い渡し、原審またはこれを是認したことをもつて刑訴法違反であると主張するに帰し、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。そして本件の主たる訴因である「被告人は昭和二十八年九月二十一日午前一時頃京都市a区b通りc下るd丁目e番地A方前路上に於て同人所有のリヤカー一台(時価一万円位)を窃取した」という事実と、追加された予備的訴因である「被告人は昭和二十八年九月二十一日午前一時頃京都市a区f条g路上で知人Bより、その盗賍たるの情を知りながら、リヤカー一台(時価一万円位)を預りもつて賍物の寄蔵をなした」という事実との間には、日時の同一、場所的関係の近接性及び不法に領得されたA所有のリヤカー一台に被告人が関与したという事実に変りはないから、右両訴因の間の基本的事実関係は、その同一性を失うものでないと解するを相当する。従つて第一審判決及びこれを是認した原判決には訴訟法違反も認められない。
- 参照法条
刑法235条,刑法256条,刑訴法312条
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