裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和29(オ)412
- 事件名
基本選挙人名簿異議決定取消請求
- 裁判年月日
昭和29年10月20日
- 法廷名
最高裁判所大法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
民集 第8巻10号1907頁
- 原審裁判所名
水戸地方裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和29年3月18日
- 判示事項
一 法令における住所の意義
二 修学のため寄宿舎で生活している学生の選挙人名簿登録の要件としての住所認定の一事例
- 裁判要旨
一 およそ法令において人の住所につき法律上の効果を規定している場合、反対の解釈をなすべき特段の事由のない限り、その住所とは各人の生活の本拠を指すものと解するを相当とする。
二 大学の学生が大学附属の寄宿舎で起臥し、実家からの距離が遠く通学が不可能ないし困難なため、多数の応募学生のうちから厳選のうえ入寮を許され、最も長期の者は四年間最も短期の者でも一年間在寮の予定の下に右寮に居住し名簿調製期日までに最も長期の者は約三年、最も短期の者でも五ケ月間を経過しており、休暇に際してはその全期間またはその一部を郷里またはそれ以外の親戚の許に帰省するけれども、配偶者があるわけでもなく、また、管理すべき財産を持つているわけでもないので、従つて休暇以外は、しばしば実家に帰る必要もなく、またその事実もなく、主食の配給も特別の場合を除いては寄宿舎所在村で受けており、住民登録法による登録も本件名簿調製期日には概ね同村でなされており、登録されていない者も故意に登録の手続をとらなかつたのでない場合はそれらの者については、選挙人名簿調製期日まで三箇月間は同村内に住所があつたものと解するを相当とする。
- 参照法条
公職選挙法20条,民法21条
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