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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和36(オ)1138

事件名

 専従休暇不承認処分取消請求

裁判年月日

 昭和40年7月14日

法廷名

 最高裁判所大法廷

裁判種別

 判決

結果

 その他

判例集等巻・号・頁

 民集 第19巻5号1198頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 昭和34(ネ)1372

原審裁判年月日

 昭和36年7月10日

判示事項

 一 地方公務員の専従休暇の法的性質。
二 地方公務員法第五二条第一項の意義とその合憲性。
三 申請にかかる専従休暇の期間の経過と該休暇不承認処分の取消を求める訴の利益。
四 違憲判断の基準。

裁判要旨

 一 地方公務員の専従休暇は、地方公務員の団結権等を保護するため、特に、法律によつて認められた制度であつて団結権等に内在しまたはそれから当然に派生する権利にもとづくものではない。
二 地方公務員法第五二条第一項は、非職員が職員団体に加入しまたはその役員となることを認めない趣旨に出たものと解すべきであり、かく解釈したからといつて、同条項が憲法第二八条に違反するものとはいえない。
三 申請にかかる専従休暇の期間が経過してしまえば、該休暇不承認処分の取消を求める訴の利益は、失われる。
四 法令の違憲審査にあたつては、当該基本的人権を制限することが公共の福祉の要請に適合するとした立法府の判断は、右判断の程度が、基本的人権を尊重すべき要請と公共の福祉を確保すべき要請との適正な均衡をいちじるしく破り、明らかに不合理であつて、立法府がその与えられた裁量権の範囲を逸脱したと認められるものでないかぎり、合憲、適法なものと解するのが相当である。

参照法条

 憲法28条,憲法81条,地方公務員法35条,地方公務員法52条,和歌山市、新宮市、御坊市の各「職員団体の業務に専ら従事する職員に関する条例」2条,行政事件訴訟法9条

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