裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和40(オ)1469
- 事件名
第三者異議
- 裁判年月日
昭和42年11月16日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄差戻
- 判例集等巻・号・頁
民集 第21巻9号2430頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
昭和39(ネ)851
- 原審裁判年月日
昭和40年9月30日
- 判示事項
一 停止条件付代物弁済契約または代物弁済予約の形式をとつた債権担保契約と債権者の清算義務
二 右契約上の権利者が清算義務を負う場合に目的不動産を債務者の所有物として差し押えた他の債権者に対して行使しうる権利の限度
- 裁判要旨
一 貸金債権担保のため、不動産に抵当権を設定するとともに、右不動産につき停止条件付代物弁済契約または代物弁済の予約を締結した形式がとられている場合において、契約時におけるその不動産の価額と弁済期までの元利金額とが合理的均衡を失するようなときは、特別な事情のないかぎり、右契約は、債務者が弁済期に債務の弁済をしないとき、債権者において、目的不動産を換価処分してこれによつて得た金員から債権の優先弁済を受け、残額はこれを債務者に返還する趣旨であると解するのが相当である。
二 前項のような事情のもとで、債権者に清算義務があると解される場合には、右債権者が、目的不動産を債務者の所有物として差し押えた他の債権者に対して行使しうる権利は、自己の債権についての優先弁済権を主張してその満足をはかる範囲に限られ、たとえ差押前に所有権移転請求権保全の仮登記を経由していても、差押債権者に対して右仮登記の本登記手続をするについての承諾を求め、その執行を全面的に排除することは許されない。
- 参照法条
民法369条,民法482条,不動産登記法105条,不動産登記法146条1項,民訴法549条1項
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