裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成9(あ)1232
- 事件名
証券取引法違反被告事件
- 裁判年月日
平成11年2月16日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄差戻
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第53巻2号1頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
平成9年10月24日
- 判示事項
新薬に関する副作用症例の発生が証券取引法(平成五年法律第四四号による改正前のもの)一六六条二項二号イに該当し得る面を有していてもなお同項四号に該当する余地が否定されないとされた事例
- 裁判要旨
新薬発売直後の死亡例を含む重篤な副作用症例の発生は、当該新薬が医薬品の卸販売では高い業績を挙げていたものの製薬業者としての評価が低かった会社において多額の資金を投じ実質上初めて開発し、有力製品として期待していたものである上、同社の株価の高値維持にも寄与していたものであるなどの事情の下では、証券取引法(平成五年法律第四四号による改正前のもの)一六六条二項二号イ所定の損害の発生に該当し得る面のほか、右新薬に大きな問題があることを疑わせて、今後その販売に支障を来すのみならず、同社の特に製薬業者としての信用を更に低下させて、今後の業務の展開及び財産状態等に重要な影響を及ぼすことを予測させ、ひいて投資者の投資判断に著しい影響を及ぼし得るという、同号イによっては包摂・評価され得ない面をも有する事実であって、これにつき同項四号の該当性を問題にすることが可能であり、前者の面があるとしてもそのために同号に該当する余地がなくなるものではない。
- 参照法条
証券取引法(平成5年法律第44号による改正前のもの)166条1項,証券取引法(平成5年法律第44号による改正前のもの)166条2項
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