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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和24(れ)1506

事件名

 賍物運搬、強盗幇助、公務執行妨害、銃砲等所持禁止令違反

裁判年月日

 昭和24年10月1日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄自判

判例集等巻・号・頁

 刑集 第3巻10号1629頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和24年4月15日

判示事項

 一 從犯の意義―正犯の盜取した財物をその情を知つて買受けた強盜の幇助者の賍物故買罪の責任
二 賍物の故買者がその賍物の故買物件を運搬する行爲と刑法第二五六條第二項
三 昭和二三年法律第二五一號による罰金額の變更と新舊法の比照

裁判要旨

 一 從犯は他人の犯罪に加功する意思をもつて、有形無形の方法によりこれを幇助し、他人の犯罪を容易ならしむるものであつて、自ら常該犯罪行爲それ自体を實行するものではない點においては、教唆と異るところはないのである。しかし自ら強盜窃盜を實行するものについては、その窃取した財物に關して、重ねて賍物罪の成立を認めることのできないことは疑のないところであるけれども、從犯は前に述べた如く自ら強盜窃盜の行爲を實行するものではないのであるから、本件におけるがごとく、強盜の幇助をした者が正犯の盜取した財物を、その賍物たるの情を知りながら買受けた場合においては、教唆の場合と同じく從犯について賍物故買い罪は成立するものと認めなければならない。(昭和二四年(れ)第三六四號同年七月三〇日第二小法廷判決参照)
二 賍物の故買者が既に故買した物件を他に運搬するが如きは、犯罪に因て得たものの事後處分たるに過ぎないのであつて、刑法はかゝる行爲をも同法第二五六條第二項によつて處罰する法意でないことはあきらかである。
三 懲役刑につき最も重い賍物故買罪の所定刑に併合罪の加重をした刑期及び賍物故買罪につき定める罰金額の各範圍内において(罰金額については昭和二三年法律第二五一號によつて變更があつたので、刑法第六條に從い輕い行爲當時のものによる)被告人を懲役六年及び罰金一、〇〇〇圓に處し云々。

参照法条

 刑法62條,刑法236條,刑法256條1項,刑法6條,刑訴法256條2項,昭和23年法律251號

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