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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和24(れ)2890

事件名

 恐喝

裁判年月日

 昭和25年4月11日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第4巻1号528頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和24年9月28日

判示事項

 所持を禁止せられている物に對す恐喝罪の成立

裁判要旨

 被告人がAから恐喝取得した判示の各物件が、同人所持の連合國占領軍若しくはその將兵の財産に屬するものであることは所論のとおりである。然し刑法における財物取罪の規定はたとえ法律上その所持を禁ぜられて居る場合でも、現實にこれを所持して居る事實がある以上社會の法的秩序を維持する必要からして物の所持という事實上の状体それ自体が保護せられ、みだりに不正の手段によつてこれを侵すことを許さぬものであること當裁判所の判例とする處である。(昭和二三年(れ)第九六七號同二四年二月一五日言渡判決)。さればAが右物件を所持することが所論政令によつて禁ぜられて居るとしても被告人等において不正の手段によつてこれが所持を奪うことの許されないこと勿論である。從つて被告人等において判示の如く、Aを恐喝して之を不法に領得した以上恐喝罪を構成すること當然で論旨は採用に値しない。

参照法条

 刑法249條1項,昭和22年政令165號1條1項

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