裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和25(れ)94
- 事件名
殺人、窃盗
- 裁判年月日
昭和25年5月30日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄差戻
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第4巻5号893頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和24年11月29日
- 判示事項
一 檢證調書添付圖面の採證とその證據調方法
二 被告人から公判廷外の證人尋問調書の供述者を公判廷に喚問を求める旨の書面の提出があつたのにこれを喚問しないでその調書を罪證に供した違法
- 裁判要旨
一 原判決は檢證調書の記載ならびに同調書添付の圖面を證據に引用しながら右の圖面を被告人に示していないと非難する。しかし檢證調書に添付した圖面は調書と一体を成すものであるから調書を讀み聞け又はその要旨を告げればよいので、必ずしも圖面を示す必要はない、というのが大審院時代の判例である。(昭和六年(れ)第一八〇六號同七年三月一七日大審院判決昭和九年(れ)第五二六號同年七月二日大審院判決參照)論旨は右の判例を「條文の末節に捕われた形式的議論」と非難するが、調書全部を必ず見せなければならないというのこそ形式的議論である。當裁判所には檢證調書中の圖面を示してもよいという判例があるが、(昭和二三年(れ)第一八一三號同二四年四月一四日第一小法廷判決參照)それは調書の讀聞けまたは要旨説明だけで證據調は適法だということを前提としているのであつて、要するに必要の有無により圖面を見せてもよし見せなくてもよいのであつて、論旨は理由がない。
二 裁判所が被告人の立會なくして公判廷外で尋問した證人尋問調書の供述者について被告人から、公判廷外で裁判所に對し、右供述者を公判廷に喚問されたい旨の證人喚問願書が提出されたのに、これを公判廷に喚問しないでその證人尋問調書犯罪事實認定の資料とした判決は刑訴應急措置法一二條第一項に違反する。
- 参照法条
舊刑訴法341條,舊刑訴法340條,刑訴應急措置法12條1項
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