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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和27(あ)5403

事件名

 業務上横領、背任

裁判年月日

 昭和29年11月5日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第8巻11号1675頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和27年7月21日

判示事項

 一 貯蓄信用組合理事が組合名義で組合員以外の者から貯金を受入れた場合とその金銭所有権の帰属
二 背任罪における目的の主従と同罪の成否

裁判要旨

 一 貯蓄信用組合理事がその資格をもつて、組合の名において、組合に対する貯金として受入れたものである以上、たとえ、右貯金が組合員以外の者のした貯金であるが故に、組合に対する消費寄託としての法律上の効力を生じないものであるとしても、貯金の目的となつた金銭の所有権は組合に帰属する。
二 主として、不法に融資して第三者の利益を図る目的がある以上、従として、右融資により本人(貯蓄信用組合)の貸付金回収を図る目的であつても、背任罪を構成する。

参照法条

 民法192条,民法703条,刑法247条

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