昭和27(れ)103

 恐喝未遂、横領

 昭和27年9月19日

 最高裁判所第二小法廷

 判決

 棄却

 刑集　第6巻8号1083頁

 名古屋高等裁判所

 昭和27年12月15日

 一　刑法第六五条にいわゆる「身分」の意義
二　横領の目的物を犯人が占有する状態は右にいわゆる「身分」にあたるか

 刑法第六五条にいわゆる身分は、男女の性別、内外人の別、親族の関係、公務員たるの資格のような関係のみに限らず、総て一定の犯罪行為に関する犯人の人的関係である特殊の地位又は状態を指称するものであつて、刑法二五二条においては、横領罪の目的物に対する犯人の関係が占有という特殊の状態にあることが刑法六五条にいわゆる身分に該るものと云わなければならない。

 刑法65条，刑法252条，刑法253条

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