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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和28(あ)2762

事件名

 名誉毀損

裁判年月日

 昭和30年12月9日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第9巻13号2633頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和28年2月21日

判示事項

 一 いわゆる取材源についての論理慣行と名誉毀損罪における事実証明の程度
二 刑法第二三〇条ノ二の事業の真実性の立証責任

裁判要旨

 一 いわゆるニュースソース秘匿の論理慣行があるとしても、それだからといつて言論、出版の業にたずさわる者に限つて特に事実の真実の証明が不充分であつても差支ないとはいえない。
二 名誉毀損罪の成否において、裁判所は、公共の利害に関する事実にかかりその目的専ら公益を図るに出てたるものと認める場合は、更に事実の真否を探究すべく、その探究にあたつて裁判所は一般証拠法の原則に従い当事者の立証並びに職権調査によつて事実の真実性が明らかとなつたときは無罪、真実の虚偽または不存在が認められた場合のほか真偽いずれとも決定しえないときは、真実の証明がなかつたものとして被告人に不利益に帰するのであり、この意味においては被告人は事実の証明に関し立証責任を負うものである。

参照法条

 刑法230条,230条ノ2

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