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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和30(あ)1144

事件名

 占有離脱物横領

裁判年月日

 昭和30年11月10日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄自判

判例集等巻・号・頁

 刑集 第9巻12号2388頁

原審裁判所名

 広島高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和30年2月1日

判示事項

 一 刑法第二五二条第一項の横領罪に当る一事例
二 横領罪既遂時期についての一事例

裁判要旨

 一 終戦後広島県a町等に散在した未転用未整理の国有旧軍用物資の集荷を同県から委託された者が、既に他に転用払下済の旧軍用物資を未転用未整理のものと誤信して集荷占有中、擅にこれを処分して横領した所為は、刑法第二五二条第一項の罪に当り、誤つて占有した物件の横領として刑法第二五四条により処断すべきものではない。
二 被告人等が他人の委託により占有するケーブルを、擅に、その被覆ゴムの部分と蘂線とを剥離して売却処分する意図の下に、人夫等をしてこれを二、三〇米宛の長さに切断させ、その被覆ゴムを剥離した上、その後これを数回にわたり他の分割売却した本件においては、右切断被覆剥離の作業を終えた段階で横領罪が成立するものと認めるべきである。

参照法条

 刑法252条1項,刑法254条,遺失物法12条

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