裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和35(あ)1378
- 事件名
爆発物取締罰則違反等
- 裁判年月日
昭和38年10月17日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第17巻10号1795頁
- 原審裁判所名
札幌高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和35年5月31日
- 判示事項
一 認定した事実と証拠力
二 伝聞供述にあたるかどうかを定める基準
三 原供述者が二者択一的である伝聞供述と証拠能力
- 裁判要旨
一 証拠によつて認定した事実は、他の事実の証拠となり得る。
二 伝聞供述となるかどうかは、要証事実と当該供述者の知覚との関係により決せられるものと解すべきであつて、甲が一定内容の発言をしたこと自体を要証事実とする場合には、その発言を直接知覚した乙の供述は、伝聞供述にあたらないが、甲の発言内容に符合する事実を要証事実とする場合には、その発言を直接知覚したのみで、要証事実自体を直接知覚していない乙の供述は伝聞供述にあたる。
三 刑訴法第三二四条第二項と第三二一条第一項第三号所定の要件を具備した伝聞供述の原供述者が特定の甲又は乙のいずれであるか不明確であつても、それだけの理由でその伝聞供述が証拠能力を有しないものとはいえない。
- 参照法条
刑訴法317条,刑訴法318条,刑訴法320条1項,刑訴法321条1項2号,刑訴法321条1項3号,刑訴法324条2項