裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和29(オ)213
- 事件名
地上権設定登記手続、土地明渡及び建物収去土地明渡等請求
- 裁判年月日
昭和31年10月23日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
その他
- 判例集等巻・号・頁
民集 第10巻10号1275頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和29年3月8日
- 判示事項
一 他人が地上権を有する土地に無権原で建物を所有する者から建物を賃借して占有使用する場合と地上権者に対する不法行為の成否
二 証人の推測的陳述のみに基く損害額の認定が違法とされた一事例
三 回復登記申請期間の徒過と登記請求権の有無
- 裁判要旨
一 他人が地上権を有する土地に無権原で建物を所有する者から建物を賃借して占有使用する者がある場合において、その物の右建物の占有使用と地上権者が右土地を使用できないこととの間には、特段の事情がない限り、相当因果関係はないと解するのが相当である。
二 原告がその地上権を有する土地を被告に不法占有されてため右土地に売店を設けて物品販売を営むことによりうべかりし利益を喪失したとの事実に基く損害賠償請求訴訟において、裁判所が原告の被傭者である一証人の単なる推測を述べたにすぎない「原告が同所に売店を設ければ、純益は月三〇万を下らない見込である」旨の証言を採用し、他に何も証拠がないのに、右損害額を月三〇万と認定したときは、理由不備、審理不尽の違法がある。
三 地上権者は、登記簿の滅失による回復登記申請期間を徒過しても、地上権者に対し新たに地上権設定登記手続を求めることを妨げない。
- 参照法条
民法709条,不動産登記法23条
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