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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和30(オ)199

事件名

 損害賠償請求

裁判年月日

 昭和32年4月30日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第11巻4号646頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和29年9月29日

判示事項

 一 被害者に業務執行上の過失のある場合と民法第七一五条
二 民法第七一五条による損害賠償義務者と相殺の許否

裁判要旨

 一 被用者たる運転手甲が自動車を運転して当該自動車を輸送する業務に従事中、その過失により自動車を衝突させ同乗していた乙を死亡させたものであるときは、乙が自動車輸送業務の共同担当者たる被用者で右衝突事故の発生につき同人にも過失があつたとしても、使用者は乙の死亡につき民法第七一五条による損害賠償責任を免れない。
二 民法第七一五条により損害賠償義務を負担している使用者は、被害者に対する不法行為による損害賠償債権を有している場合でも、相殺をもつて対抗することはできない。

参照法条

 民法715条,民法509条

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