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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和35(オ)381

事件名

 損害賠償並びに慰藉料請求

裁判年月日

 昭和37年4月26日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第16巻4号975頁

原審裁判所名

 福岡高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和34年12月18日

判示事項

 一 民法第七一七条にいわゆる「土地ノ工作物」に該当するとされた事例
二 労働者災害補償保険法による遺族補償費として受給者の財産的損害額をこえる金額が支給された場合と受給者以外の遺族の財産的損害賠償請求権の有無
三 労働者災害補償保険法による遺族補償費の受給と遺族の慰藉料請求権の有無
四 労働者災害補償保険法による葬祭料の受給と遺族の損害補償請求権の有無

裁判要旨

 一 炭坑の坑口附近に設置された捲上機の一部をなし、炭車を坑口に捲き上げるために使用される原判ワイヤロープ(原判決引用の第一審判決理由参照)は、民法第七一条にいわゆる「土地ノ工作物」に該当する。
二 労働者災害補償保険法に基づき妻に支給された遺族補償費の額が、妻の使用者に対して有する不法行為による財産的損害賠償請求権の額をこえる場合でも、妻以外の遺族はそのことと関係なく、使用者に対し、不法行為による財産的損害の賠償を請求することができる。
三 労働者災害補償保険法に基づき遺族補償費が支給された場合でも、遺族は別に、使用者に対し、不法行為による損害賠償としての慰藉料を請求することができる。
四 労働者災害補償保険法に基づき葬祭料が支給された場合でも、不法行為による遺族損害賠償請求権には消長をきたさない。

参照法条

 民法717条,民法711条,労働者災害補償保険法12条1項4号,労働者災害補償保険法12条1項5号,労働基準法79条,労働基準法80条,労働基準法84条2項

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