裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和39(オ)1450
- 事件名
建物収去土地明渡請求
- 裁判年月日
昭和41年4月21日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
民集 第20巻4号720頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
昭和37(ネ)84
- 原審裁判年月日
昭和39年7月31日
- 判示事項
一 借地契約における増改築禁止の特約と解除権行使の許否
二 前項の特約がある場合において建物の増改築を理由とする解除権行使の効果が生じないとされた事例
- 裁判要旨
一 建物所有を目的とする土地の賃貸借中に、賃借人が賃貸人の承諾をえないで借地内の建物の増改築をするときは、賃貸人は催告を要しないで賃貸借を解除することができる旨の特約があるにかかわらず、賃借人が賃貸人の承諾を得ないで増改築をした場合において、増改築が借地人の土地の通常の利用上相当であり、土地賃貸人に著しい影響を及ぼさないため、賃貸人に対する信頼関係を破壊するおそれがあると認めるに足りないときは、賃貸人は、前記特約に基づき、解除権を行使することは許されないものというべきである
二 前記の特約がある場合において、借地人がその居住用建物の一部の根太などを取りかえ、二階部分を拡張してアパート用居室として他人に賃貸するように改造をしたが住宅用普通建物として前後同一であるなど判示事実(判決理由参照)のもとでは、賃貸人が右特約に基づいてした解除権の行使はその効力を生じないと認めるのが相当である
- 参照法条
民法540条,民法601条,借地法11条
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