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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和43(あ)2371

事件名

 法人税法違反

裁判年月日

 昭和45年3月13日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集刑 第175号477頁

原審裁判所名

 福岡高等裁判所  宮崎支部

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和43年6月11日

判示事項

 一 いわゆる両罰規定により行為者のほかに事業主をも処罰することと憲法三九条
二 重加算税と刑罰との併科と憲法三九条
三 昭和四〇年法律第三四号による改正前の法人税法四八条一項の逋脱罪の成立時期と修正申告の効果

裁判要旨

 一 昭和四〇年法律第三四号による改正前の法人税法四八条一項および五一条一項によれば、本件被告人Aは、犯罪の行為者として、同B株式会社は、同Cを代表者に選任している事業主として、それぞれ別個の刑事責任を負うものであり、したがつて、両被告人に対しそれぞれ刑が科せられるのは一個の行為に対して二重に刑罰が科せられるものであるとの論を前提として憲法三九条違反を主張する上告趣意の所論は、前提を欠く。
二 同一の租税逋脱行為について重加算税のほかに刑罰を科しても憲法三九条に違反しないことは、当裁判所大法廷判決の趣旨とするところである(昭和三三年四月三〇日大法廷判決、民集一二巻六号九三八頁参照。なお、昭和三六年七月六日第一小法廷判決、刑集一五巻七号一〇五四項参照。)。
三 昭和四〇年法律第三四号による改正前の法人税法四八条一項の逋脱罪は、納期の経過により既遂となり、その後に修正申告をして不足の税額を納付しても、逋脱罪の成立には影響がない(昭和三六年七月六日第一小法廷判決、刑集一五巻七号一〇五四頁参照。)。

参照法条

 法人税法(昭和40年法律34号による改正前のもの)48条1項,法人税法(昭和40年法律34号による改正前のもの)51条1項,法人税法159条1項,法人税法164条1項,国税通則法68条,憲法39条

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