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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和46(あ)1766

事件名

 業務上過失致死

裁判年月日

 昭和48年9月27日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 その他

判例集等巻・号・頁

 集刑 第190号391頁

原審裁判所名

 高松高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和46年7月15日

判示事項

 一 黄色の灯火の点滅信号の意義
二 明らかに幅員の広い道路を進行する車両の運転者に、交差点進入に際し、除行もしくは相当の減速の注意義務がないとされた事例

裁判要旨

 一 道路交通法施行令(昭和四六年政令第三四八号による改正前のもの。)二条一項所定の黄色の燈火の点滅信号による規制の意味は、当該信号設置場所における道路の広狭、優先関係、見とおしの良否、車両または歩行者の往来状態等の諸般の事情に応じて、当該場所を進行する自動車運転者に対し、道路交通の安全と円滑を図る見地から課せられる交通法令上の各種義務および運転業務上の注意義務をはたすにつき、いつそうの留意を喚起するにある。
二 明らかに幅員の広い道路を進行する車両の運転者が、本件の具体的状況(判文参照)において、毎時約五五キロメートルの速度で交差点に進入することによる具体的危険性はほとんどなかつたと認められる場合、無謀車両はあるまいと期待して進行することは相当として許され、いつでも停止できる程度に除行もしくは減速する業務上の注意義務を負うものではない。

参照法条

 道路交通法施行令(昭和46年政令348号による改正前のもの)2条1項,刑法211条前段

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