裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和31(あ)2540
- 事件名
傷害
- 裁判年月日
昭和34年6月23日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
集刑 第130号261頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和31年6月5日
- 判示事項
正当な争議行為にあたらない事例。
- 裁判要旨
所論第一組合員は、被告人等の属する第二組合が本件争議を開始する以前、既に、所論第一組合と所論会社との間の労働契約に基き、会社に労働力を提供して居り、しかも本件争議に参加して居らなかつたのであるから、第二組合が争議を開始した後もこれと同調せずして、引続き右契約に基き会社に労働力を提供して居つても、右第二組合に対する違法な行為とはいえない。又右第一組合員の行動は、所論の如く会社と結託して第二組合員の団結権乃至争議権に対する侵害を目的としてなされたものとも認め得られないのみならず右第一組合員が本件作業場に入ろうとした際、これを阻止するためポケツトラインを張つていた右第二組合員及びその応援者等に対し、暴行を加えてまでこれを強行した形跡は証拠上認められない。しかるに、第一審判決は被告人等を含む第二組合員等が、本件作業場に入場しようとした右第一組合員等に殺到してこれを包囲した上、その者等に対し蹴る、踏む等の暴行を加えて、それぞれ傷害を負わせた旨を認定し、原審も亦これを支持して居る。前記判例(註、昭二三(れ)一〇四九号、同二五・一一・一五大法廷判決、昭二四オ)一〇五号、同二七・一〇・二二大法廷判決、昭二七(あ)四七九八号、同三三・五・二八大法廷判決)の趣旨よりすれば、被告人等のかかる行為が、争議権の行使として許された範囲内のものであるとはなしえない。
- 参照法条
労働組合法1条
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