裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和33(あ)1844
- 事件名
関税法、物品税法違反
- 裁判年月日
昭和38年5月29日
- 法廷名
最高裁判所大法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
集刑 第147号393頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和33年8月19日
- 判示事項
関税法により第三者(法人)の所有物を没収するにあたり、犯罪行為当時の代表者が同法第一一八条第一項第一号に該当するか否かについての審理判断の要否。
- 裁判要旨
(裁判官奥野健一の少数意見)職権により調査するに、本件没収に係る貨物は被告人ら以外の第三者であるA冷房株式会社の所有に属するものであることは記録上明白であり、その所有者である第三者に対し告知、弁解、防禦の機会を与えることなく没収することは憲法上許されないことは当裁判所の判例とするところであるが、被告人Bは第一審当時本件貨物の所有者である右会社の代表取締役であつたことが記録上明らかであるから、右会社は実質的に本件没収につき告知、弁解、防禦の機会が与えられていたというべきである。しかし、行為当時の代表者は同被告人でなく、当時の代表者が関税法第一一八条第一項第一号に該当するか否かにつき何ら審理判断することなく、本件貨物の没収の言渡をした第一審判決およびこれを是認した原判決は違法たるを免れない(昭和二六年(あ)一八九七号、同三二年一一月二七日大法廷判決(C事件)、刑集一一巻一二号三一三二頁参照)。
- 参照法条
関税法110条,関税法117条,関税法118条,憲法29条,憲法31条,憲法39条,刑訴法411条1号