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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和48(オ)657

事件名

 土地明渡請求

裁判年月日

 昭和49年3月22日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 集民 第111号457頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和44(ネ)1014

原審裁判年月日

 昭和48年4月11日

判示事項

 賃借権の無断譲渡が賃貸人に対する背信行為に当たらないとみることはできないとした判断に審理不尽があるとされた事例

裁判要旨

 ゴルフ場経営を目的とする株式会社が、ゴルフ場用地の一部として賃借していた土地の賃借権を、賃貸人に無断で他の株式会社に譲渡したときでも、当該賃貸人に賃貸借契約締結の当初から不誠実な態度があつたほか、譲受会社が元来賃借会社の子会社として当該ゴルフ場運営のために設立された会社であり、また、他の百余名の賃貸人らがすべて賃借権の譲渡に承諾を与えている等、判示の事情がある場合においては、右譲渡当時、譲受会社が賃借会社の子会社たる地位を失つていて、賃借会社とは別個独立に当該ゴルフ場を経営するに至つていたとしても、そのことから直ちに、右譲渡が賃貸人に対する背信行為に当たらないとみることはできないとは言えず、賃借地の使用収益の方法や賃料支払の確実性等に実質約影響があるかどうかなど判示の諸点についても審理を尽くすことを要する。

参照法条

 民法612条,民訴法394条

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