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最高裁判所判例集

事件番号

 平成14(受)1008

事件名

 所有権移転登記抹消登記手続等請求事件

裁判年月日

 平成15年6月13日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 集民 第210号143頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 平成13(ネ)539

原審裁判年月日

 平成14年3月26日

判示事項

 地目変更等のためと偽って不動産の所有者から交付を受けた登記済証,白紙委任状,印鑑登録証明書等を利用して当該不動産につき不実の所有権移転登記がされた場合において不動産の所有者が善意無過失の第三者に対して当該不動産の所有権が移転していないことを対抗することができないとした原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨

 不動産の売買等を業とする会社が,地目変更等のためと偽って不動産の所有者から交付を受けた登記済証,白紙委任状,印鑑登録証明書等を利用して,当該不動産につき同社への不実の所有権移転登記を了したが,当該所有者が,虚偽の権利の帰属を示すような外観の作出につき何ら積極的な関与をしておらず,上記の不実の登記の存在を知りながら放置していたとみることもできないなど判示の事情の下においては,民法94条2項,110条の類推適用により当該所有者が善意無過失の第三者に対して同社に当該不動産の所有権が移転していないことを対抗することができないとした原審の判断には,違法がある。

参照法条

 民法94条2項,民法110条

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