裁判例検索

裁判例結果詳細

最高裁判所判例集

事件番号

 平成14(受)1937

事件名

 損害賠償請求事件

裁判年月日

 平成16年1月15日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 集民 第213号229頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 平成13(ネ)3604

原審裁判年月日

 平成14年9月13日

判示事項

 スキルス胃がんにより死亡した患者について胃の内視鏡検査を実施した医師が適切な再検査を行っていれば患者がその死亡の時点においてなお生存していた相当程度の可能性があったとして医師に診療契約上の債務不履行責任があるとされた事例

裁判要旨

 スキルス胃がんにより死亡した患者について,胃の内視鏡検査を実施した医師が適切な再検査を行っていれば,スキルス胃がんが発見されてその治療が実際に開始された時より約3か月前の時点でこれを発見することが可能であり,その時点における病状及び当時の医療水準に応じた化学療法が直ちに実施され,これが奏功することにより延命の可能性があったこと,その病状等に照らして化学療法が奏功する可能性がなかったという事情もうかがわれないことなど判示の事情の下においては,医師が上記再検査を行っていれば,患者がその死亡の時点においてなお生存していた相当程度の可能性があると認められ,医師は,診療契約上の債務不履行責任を負う。

参照法条

 民法415条

全文