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最高裁判所判例集

事件番号

 平成15(オ)975

事件名

 損害賠償請求事件

裁判年月日

 平成16年9月7日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 その他

判例集等巻・号・頁

 集民 第215号91頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 平成13(ネ)2766

原審裁判年月日

 平成15年3月19日

判示事項

 1 代用監獄である警察署に勾留中の各被疑者について「接見等の指定に関する通知書」を発した検察官が留置担当官から弁護人が接見の申出をしたことの連絡を受けて約40〜45分後又は約34分後に接見指定をしない旨の回答をしたことが違法とはいえないとされた事例
2 代用監獄である警察署に勾留中の被疑者について弁護人から接見の申出を受けた留置担当官が検察官から「接見等の指定に関する通知書」が発せられていたことを失念して接見を開始させた直後にこれに気付き接見を中断させた措置が違法とはいえないとされた事例

裁判要旨

 1 代用監獄である警察署に勾留中の被疑者甲乙について「接見等の指定に関する通知書」を発した検察官が,留置担当官から弁護人が甲との接見の申出をしたことの連絡を受けて約40〜45分後に,乙との接見の申出をしたことの連絡を受けて約34分後にそれぞれ接見指定をしない旨の回答をしたことは,甲については弁護人が閉庁日(土曜日)に事前の連絡なく突然に警察署に赴いたものであり,乙については弁護人が担当検察官の登庁前に事前の連絡なく突然に警察署に赴いたものであるため,いずれも担当検察官への連絡が直ちには取れなかったこと,担当検察官は連絡を受け次第速やかに回答をしたことなど判示の事情の下では,これを違法ということはできない。
2 代用監獄である警察署に勾留中の被疑者について弁護人から接見の申出を受けた留置担当官が,検察官から「接見等の指定に関する通知書」が発せられていたことを失念して接見指定書の有無を確認しないまま接見を開始させたが,その直後にこれに気付き,検察官に対して接見の申出があったことを連絡するため直ちに接見を中断させた措置は,抵抗の姿勢を示した被疑者の左腕をつかんで接見室から連れ出したなどの態様等を考慮しても,これを違法ということはできない。
(2につき,反対意見がある。)

参照法条

 国家賠償法1条1項,刑訴法39条1項,刑訴法39条3項

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