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最高裁判所判例集

事件番号

 平成15(受)1943

事件名

 損害賠償請求事件

裁判年月日

 平成16年11月18日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄自判

判例集等巻・号・頁

 集民 第215号639頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 平成15(ネ)583

原審裁判年月日

 平成15年8月27日

判示事項

 婚姻外の男女の関係を一方的に解消したことにつき不法行為責任が否定された事例

裁判要旨

 婚姻外の男女の関係が継続していた期間中,両者は,その住居を異にしており,共同生活をしたことは全くなく,それぞれが自己の生計を維持管理しており,共有する財産もなかったこと,女性は,男性との間に2人の子を出産したが,子の養育の負担を免れたいとの女性の要望に基づく両者の事前の取決め等に従い,2人の子の養育には一切かかわりを持たず,また,出産の際には,男性側から出産費用等として相当額の金員をその都度受領していること,両者の間に民法所定の婚姻をする旨の意思の合致が存したことはなく,かえって,両者は意図的に婚姻を回避していること,両者の間において,その一方が相手方に無断で相手方以外の者と婚姻をするなどしてその関係から離脱してはならない旨の関係存続に関する合意がされた形跡はないことなど判示の事情の下においては,男性が,両者の関係を突然かつ一方的に解消し,他の女性と婚姻したことをもって,慰謝料請求権の発生を肯認し得る不法行為と評価することはできない。

参照法条

 民法709条,民法710条 ,民法第4編第2章第1節 婚姻の成立

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