裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成2(オ)1650
- 事件名
損害賠償請求、仮執行金返還
- 裁判年月日
平成6年10月27日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
集民 第173号201頁
- 原審裁判所名
名古屋高等裁判所
- 原審事件番号
昭和57(ネ)687
- 原審裁判年月日
平成2年2月20日
- 判示事項
一 堤防の基礎地盤に破堤の要因がある場合と河川管理の瑕疵
二 堤体の浸潤に基づく破堤によって生じた水害につき河川管理の瑕疵がないとされた事例
- 裁判要旨
一 堤防の基礎地盤に破堤の要因があって水害が生じたとしても、基礎地盤については、過去における災害時の異常現象等によって欠陥のあることが明らかとなっているなど特段の事情のある場合を除き、そのすべてについて、あらかじめ安全性の有無を調査し、所要の対策を採るなどの措置を講じなければならないものではなく、右特段の事情が認められない限り、河川の管理に瑕疵があるとはいえない。
二 堤体の浸潤に基づく破堤によって水害が生じた場合、堤防の基礎地盤を除く堤体部分には破堤の原因となる欠陥が存在せず、その築堤、改修及び整備管理等の面において格別不合理なものがあったとは認められないなど判示の事実関係の下においては、右堤防は工事実施基本計画に定める規模の洪水における流水の通常の作用から予測される災害の発生を十分に防止する効用を発揮し得る状態にあったものということができ、河川の管理に瑕疵があるとはいえない。
- 参照法条
国家賠償法2条l項
- 全文