裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成6(オ)362
- 事件名
損害賠償
- 裁判年月日
平成9年9月9日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄差戻
- 判例集等巻・号・頁
集民 第185号199頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
平成4(ネ)1916
- 原審裁判年月日
平成5年11月18日
- 判示事項
一 特定の株主に対する株主総会の招集通知の欠如と他の株主との関係における取締役の職務上の義務違反の有無
二 定款上株式の譲渡には取締役会の承認を要することとされている会社において既に競売により株式を失っていたが株主名簿には株主として記載されていた者に対し株主総会の招集通知が行われないまま決議がされた場合に取締役に悪意又は重大な過失による職務上の義務違反がなかったとはいえないとされた事例
- 裁判要旨
一 特定の株主に対する株主総会の招集通知の欠如は、すべての株主に対する関係において取締役の職務上の義務違反に当たる。
二 定款上株式の譲渡には取締役会の承認を要することとされている会社において、既に競売により株式を失っていたが株主名簿には株主として記載されていた者に対し株主総会の招集通知が行われないまま決議がされた場合に、右当時、右の者が会社を被告として株主としての地位の確認を請求する訴訟において請求を棄却すべきものとする判決が言い渡されていたものの、同判決は未確定であったなど判示の事実関係の下においては、右の者に対する株主総会の招集通知の欠如につき取締役に悪意又は重大な過失による職務上の義務違反がなかったとはいえない。
- 参照法条
商法204条1項,商法224条1項,商法231条,商法266条ノ3第1項,商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)204条ノ2,商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)204条ノ5,商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)206条1項,商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)232条,民訴法225条
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