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最高裁判所判例集

事件番号

 平成7(オ)1962

事件名

 共有物分割

裁判年月日

 平成8年10月31日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集民 第180号643頁

原審裁判所名

 名古屋高等裁判所

原審事件番号

 平成7(ネ)108

原審裁判年月日

 平成7年6月30日

判示事項

 いわゆる全面的価格賠償の方法により共有物を分割することが許されるとされた事例

裁判要旨

 共有土地の分割をする場合において、共有者の一人である甲が二二八分の二二三の持分を有するのに対し、甲以外の五名の共有者の持分は各二二八分の一であり、右持分に相当する土地は、面積の合計が三二・一平方メートルにすぎず、共有土地の所在する場所等も併せ考えると社会的、経済的効用が乏しいこと、甲は、右土地を競売に付することなく、自らがこれを単独で取得するいわゆる全面的価格賠償の方法による分割を希望していること、さらに、右土地の価格が適正に評価されており、甲以外の共有者に対する持分の価格の賠償が困難であるとは考えられないことなど判示の事実関係の下においては、右土地を甲に取得させるのが相当であり、かつ、価格賠償の方法によっても共有者間の実質的公平を害するおそれはないものと認められるから、全面的価格賠償の方法により右土地を分割することが許される。

参照法条

 民法258条

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