裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成8(オ)609
- 事件名
損害賠償請求事件
- 裁判年月日
平成11年3月23日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄差戻
- 判例集等巻・号・頁
集民 第192号165頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
平成6(ネ)2446
- 原審裁判年月日
平成7年12月1日
- 判示事項
顔面けいれんの根治術である脳神経減圧手術を受けた後間もなく患者が脳内血腫を生じその結果死亡した場合につき脳内血腫の原因が右手術にあることを否定した原審の認定判断に違法があるとされた事例
- 裁判要旨
顔面けいれんの根治術である脳神経減圧手術を受けた後間もなく手術部位である小脳橋角部の近傍部等に血腫を生じ、その結果患者が死亡した場合において、術前検査である高血圧症とは認められず手術適応があるとされている上、高血圧性脳内出血が小脳内に発生する確率は低く、他方、手術内容が小脳右半球を開排し小脳橋角部において顔面神経と脳動脈の接触部分をはく離するという小脳内出血を引き起こす可能性を有するものであり、かつ、手術記録及び診療録に本件手術の施行とその後の患者の脳内血腫の発生との関連性を疑わせる記載があるなど判示の事実関係の下においては、その体裁等から客観的資料を精査した上でされたものか疑問のある鑑定結果等に依拠して血腫の原因が本件手術にあることを否定した原審の認定判断には、経験則ないし採証法則違背の違法がある。
- 参照法条
民法709条,民訴法247条
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