裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成9(オ)317
- 事件名
保険金請求控訴、同附帯控訴事件
- 裁判年月日
平成11年7月16日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄差戻
- 判例集等巻・号・頁
集民 第193号493頁
- 原審裁判所名
福岡高等裁判所 那覇支部
- 原審事件番号
平成8(ネ)1
- 原審裁判年月日
平成8年11月19日
- 判示事項
トラックに積載された鋼管くいをクレーン車の装置により荷下ろしする際に玉掛け作業を手伝った右トラックの運転者が鋼管くいの落下により死亡した事故につき右運転者が右クレーン車の運転補助者とはいえず自動車損害賠償保障法三条にいう「他人」に当たるとされた事例
- 裁判要旨
トラックに積載された鋼管くいをクレーン車の装置により工事現場に荷下ろしする際に玉掛け作業を手伝った右トラックの運転者甲が鋼管くいの落下により死亡した事故において、鋼管くいは工事現場で車上に積載したままの状態で工事業者に引き渡す約定とされており、甲は、右クレーン車の運転者乙が行う鋼管くいの荷下ろし作業について、指示や監視をすべき立場にも、右作業を手伝う義務を負う立場にもなく、また、鋼管くいが落下した原因は、乙が自らの判断で鋼管くいを安全につり上げるのには不適切な短いワイヤーロープを使用した上クレーンの補巻フックにシャックルを付けずにワイヤーロープを装着したことにあり、その後甲が好意から玉掛けを手伝って行った作業が鋼管くい落下の原因となっているものではないという事情の下においては、甲は、右クレーン車の運転補助者には該当せず、自動車損害賠償保障法三条にいう「他人」に当たる。
- 参照法条
自動車損害賠償保障法2条4項,自動車損害賠償保障法3条
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