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最高裁判所判例集

事件番号

 平成9(行ツ)78

事件名

 当選無効

裁判年月日

 平成9年8月25日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄自判

判例集等巻・号・頁

 集民 第184号1頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 平成7(行ケ)242

原審裁判年月日

 平成8年12月26日

判示事項

 丙市の市議会議員選挙に当選した直後に丁市への転出の届出をした当選人が被選挙権の要件としての丙市の住所を失ったとはいえないとされた事例

裁判要旨

 丙市の市議会議員選挙の当選人甲が、当選人の告示後議員としての任期が開始する前に丁市への転出の届出をしたが、甲は、従前丙市に生活の本拠としての住所を有しており、右告示の後、当選を辞退し次点者の乙を当選人とすることを目的として、急きょ右転出の届出をしたものであり、甲が単身転出したとする先は父の部下一家が居住する社宅であった上、その後、わずかの間に丁市内で二度にわたり転居の届出をしているなど判示の事実関係の下においては、甲が住所を移転させる強固な目的で転出の届出をした上、現実に右社宅で起居し、議員としての任期開始後最後に転居の届出をした丁市内の住所がそのまま生活の本拠となっているとしても、甲は、議員としての身分を取得する前に被選挙権の要件としての丙市の住所を失ったとはいえない。

参照法条

 公職選挙法9条2項,公職選挙法10条1項5号,公職選挙法97条1項,公職選挙法99条,民法21条

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