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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和57(オ)374

事件名

 損害賠償

裁判年月日

 昭和60年4月9日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集民 第144号433頁

原審裁判所名

 名古屋高等裁判所  金沢支部

原審事件番号

 昭和55(ネ)64

原審裁判年月日

 昭和57年1月27日

判示事項

 薬剤の能書の記載と医師の注意義務

裁判要旨

 薬剤の能書等に使用上の注意事項としては、患者本人又は近親者がアレルギー体質を有するときは慎重に投与すべき旨が記載されているにすぎない場合であつても、当該薬剤の注射がシヨツク症状を起こしやすいものであり、右症状の発現の危険のある者を識別するには医師による患者本人及び近親者のアレルギー体質に関する適切な問診が必要であることが当時の臨床医の間で一般的に認められていた等判示の事実関係のもとにおいては、医師がかかる問診をしないで右注射をし、これに起因するシヨツク症状の発現によつて患者を死亡させたときは、当該医師に医療上の過失がある。

参照法条

 民法709条

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