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最高裁判所判例集

事件番号

 平成4(オ)2148

事件名

 損害賠償

裁判年月日

 平成9年3月28日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集民 第182号715頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 平成3(ネ)1302

原審裁判年月日

 平成4年9月11日

判示事項

 公職選挙法所定の詐偽投票罪の捜査のため投票済み投票用紙の差押え等がされた場合において投票した選挙人の投票の秘密に係る法的利益の侵害がないとされた事例

裁判要旨

 公職選挙法所定の詐偽投票罪の捜査のため、市議会議員選挙における特定の候補者甲の氏名を記載した投票済み投票用紙全部の差押えがされ、右用紙から検出された指紋と警察保管の指紋との照合がされたが、右選挙の選挙人で投票した甲及び乙らは詐偽投票罪の被疑者とされておらず、右捜査により甲及び乙らの投票内容が外部に知られたとの事実はうかがえないし、右捜査は甲及び乙らの投票内容を探索する目的でされたものではなく、照合に使用された指紋には甲及び乙らの指紋は含まれていないため、指紋の照合により甲及び乙らの投票内容が外部に知られるおそれもなかったなど判示の事実関係の下においては、甲及び乙らが自己の投票の秘密に係る法的利益を侵害されたということはできない。

(補足意見がある。)

参照法条

 憲法15条4項,公職選挙法52条,国家賠償法1条1項,刑訴法218条

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